|
Q 神山 佐市県議
首長の多選制限につきましては、古くから論議されてきました。御案内のとおり、アメリカ大統領は2期8年を超える多選が禁止されております。大統領に近い我が国の首長制度についても、知事や市長に大きな権限が集中することから、これまでも国会などにおいて多選禁止の議論がなされてきました。しかし、昭和29年以来過去3回議員提案された多選禁止の法案は、いずれも立候補の自由で憲法上の疑義があるとの理由などから廃案となりました。
多選制限問題についての結論を先送りしている中、昨年、岐阜県の裏金問題、福島県、和歌山県、宮崎県の談合問題と、知事をめぐる不祥事が多発しました。遅きに失した感もありますが、こうした事件を受け、総務省の首長の多選問題に関する調査研究会が検討を開始し、去る5月30日に、首長の任期を3期12年までに制限することは憲法に違反しないとの考えを示しました。今後、この報告を受け多選制限の法制化を進めると聞いています。
しかし、全国には約1,800の自治体が存在します。それぞれの自治体が置かれた状況も様々であり、小さな自治体ではなかなか首長を務めるに足る人材が得にくいという声も聞きます。もちろん小さな自治体では、その基礎体力を強化するため自主的な合併を進めているところではありますが、まだまだ道半ばであります。
そこで、上田知事にお尋ねします。
上田知事は、四年前の選挙で3期12年を限度とする多選禁止・自粛条例の制定をマニフェストに掲げて当選されました。翌年には、県民に約束したとおり、都道府県レベルでは全国初となる埼玉県知事の在任期間に関する条例を制定されたわけであります。この条例を制定しようとした経緯と、上田知事の多選制限に対する基本的な考え方をお聞かせください。また、最近における多選制限の法制化をめぐる議論について、全国に先駆けて多選自粛条例を制定された上田知事はどうお考えになるのか、併せてお伺いいたします。
----------------------------------------------------------------------
A 上田清司知事
まず、「埼玉県知事の在任期間に関する条例」を制定した経緯と、多選禁止に関する基本的な考え方についてでございます。
私は、4年前の知事選挙で「多選禁止(自粛)条例を制定します。」とマニフェストに掲げました。
法令による多選禁止は憲法上疑義がある、法律上問題だという、こういうお話もありましたので、あえて禁止というよりは自粛条例という形で御提案をさせていただき、議会で審議を経てお認めをいただきました。こういう経緯の中で、埼玉県における多選自粛条例が成立しているわけであります。
「花には10日紅くならず、権力は10年久しからず」というような言葉がございます。「花は10日も紅く保つことができない、権力は10年謳歌することができない」。こういう意味ではないかと思っております。多分、大方の真実を言っているのではないか、私はそのように思っております。
多選を重ねても立派な方がいらっしゃいます。あるいは、多選の問題ではなくて本人の資質の問題だろう。こういう意見も私は正しいというふうに思っております。両方正しいのかなと。
そこで、都道府県の知事と、政令市の市長は、膨大な権限があって、なおかつ選挙区が広いということで、候補者が絞られる。
こういうのは、議会との均衡チェックだとかという以外にも、時間の制限というものも必要じゃないかということで、私は国会議員時代、知事と政令市の市長の3期12年までという、そういう法律をつくるべきだという考え方で超党派で活動しておりました。
その思いの中で知事になって、国会時代に言っていたことについては極力実現しようということで、天下りの廃止、あるいは、無保証・無担保の制度融資の改革だとか、その一環の中でこうした考え方に立って3期12年の自粛条例を出させていただきました。
次に、最近における多選制限の議論についでございます。
これまで国は、多選制限が合憲であるかどうかということについて、意思を明らかにしておりませんでしたが、総務省の研究会は「多選制限は合憲である」という考え方を、初めて、先月示しました。
ただ、誰が、どのように、この多選を制限するのかということも大事な課題になってきました。
かつては、私も、知事と政令市の市長は3期12年までだということを法律で制限しようという考え方でございましたが、よくよく考えてみると、それもまた横柄かなというような思いも持っております。
地方自治の醍醐味というのは、やっぱり、規律で何かを制限することではなくて、地域地域で、自己決定、自己判断、自己責任という、そういう部分が地方自治の醍醐味ではないかなと思っておりますので、現在では、地方自治体そのものが、そういった制限が必要なところは、制限していけば良いのではないか、という考えに私自身は変わってきております。
1,200万人もいるような東京都もあれば、青ヶ島村みたいに、200人のところもある。従って、これを法律で、一律に3期12年という形ではなくて、それぞれの地域の住民の方々、あるいは代表する議員の方々、あるいは選ばれた首長が提案していくという形の方が良いのかなと、このように私自身は考えております。
|